
ECUを徹底的にテストするには、通信ネットワークをテストシステムに接続するだけでなく、I/Oインターフェイスも接続する必要があります。
この作業は、ベクターのVT Systemによって解決されます。このシステムは、I/Oチャネルを接続するために必要なすべての回路コンポーネントを1つのモジュールに統合しているため、テストベンチやHILテストシステムのセットアップを大幅に簡素化します。
I/Oチャネルの例としては、ヘッドランプを制御するためのECU出力や、輝度センサーを接続するための入力などが挙げられます。
メリット
関連するすべてのテスト用コンポーネントが1つのデバイスに統合されています:
- 信号調整機能付き測定ハードウェア
- 短絡のスイッチなどに使用するリレー
- アクチュエータのシミュレーション用電子負荷
- センサーのシミュレーション用抵抗デケード
- テスト設定の配線作業を最小化します
- 自動車用途に適した電圧範囲
- CANoeへのシームレスな統合
適用分野
VT Systemを使用することで、ECUや車載ネットワークの機能テストを行うためのテストシステムを構築することができます。CANoeは、これに対応するテスト自動化ソフトウェアです。
VT Systemのモジュール式設計により、シンプルなテスト設定から複雑なテストシステムに至るまで、幅広いテストソリューションを構築することが可能です:
- 個々のECU専用のテストシステム
- ECUおよびサブシステム向けの汎用テスター
- 開発者のワークステーション向けの柔軟なテストハードウェア
筐体:VT9006、VT9012、VT9112
VT Systemは拡張性に優れています。開発者のワークステーションにある小規模な補助テストツールから、テストラボにある包括的な機能テスターやHILテストステーションに至るまで、複雑さや機能性が幅広いテストシステムの構築に使用できます。
モジュールは汎用的な設計となっているため、テストシステムは、手間をかけずにさまざまなテスト対象やテスト作業に使用することができます。
バックプレーン
バックプレーンは、筐体高さの4分の1を占めています。上記スペースには、VT Systemのプラグインモジュールが背面から直接アクセスできるようになっています。
バックプレーンは、CANoe PC への Ethernet 接続を提供するとともに、VT Systemモジュールに 12V の供給電圧を供給します。また、搭載された各 VT Systemモジュールは、バックプレーンを介して EtherCAT® バスにも接続されています。2 つ目の Ethernet コネクタを使用することで、複数の VT Systemラックを大規模なテストシステムに接続することが可能です。ベクターでは、プロジェクトに応じて完全に組み立て済みのテストラックも提供しています。


バックプレーン VT8006B
VT8006Bバックプレーンを使用することで、9.5インチのデスクトップ型筐体VT9006に、最大6つのVT Systemモジュールをインストールすることができます。


バックプレーン VT8012B
VT8012Bバックプレーンは、VT8006Bの大型モデルです。19インチのデスクトップケース「VT9012」または19インチのラックフレーム「VT9112」(4U)に搭載することで、最大12個のVTモジュールをインストールすることができます。
技術データ
| VT8006B、VT8012B | |
| スロット数 | 6(VT8006B)、12(VT8012B)、 |
| 供給電圧 | 12 V ±10 % |
| 入力電流 | 最大 16 A(接続されている VT Systemモジュールの種類および数によって依存します) |
| 消費電力(バックプレーンのみ) | 約 3.8 W |
| 温度範囲 | 0 ~ 55 °C |
| 外形寸法(長さ × 幅 × 高さ) | 210 × 46 × 35 mm(VT8006B)、427 × 46 × 35 mm(VT8012B) |
概要
VT Systemは、ECUの包括的なテストを行うための高性能なモジュール式テストシステムです。さまざまなハードウェアモジュールで構成されており、CANoeと組み合わせることで、ECUの機能や重要なエラーケースをテストするための、強力かつ柔軟なソリューションを提供します。
| 電源コントロールモジュール |
| ● VT7001A: 電源モジュール(40V) |
| ● VT7101:電源モジュール(60V) |
| ● VTC8920B:VT System用電源モジュール |
| ● VTC8840:電源モジュール |
| インフラストラクチャ・モジュール |
| ● VT7900A | VT7900A FPGA:拡張モジュール |
| リアルタイムモジュール |
| ● VT6020:リアルタイムモジュール |
| ● VT6060:リアルタイムモジュール |
| フォールトインジェクション+スイッチングモジュール |
| ● VT2820:汎用リレーモジュール |
| ● VT2828:信号スイッチングマトリックスモジュール |
| ● VT2832:スイッチマトリックスモジュール |
ユーザーがプログラム可能なFPGA
一部のVT Systemモジュールには、2つ目のユーザープログラム可能なFPGAを搭載したプロセッサボードを備えたFPGAバージョンが用意されています。このFPGAは、VT SystemモジュールのI/Oハードウェアにアクセスし、CANoeと通信することができるため、お客様固有の機能を実装することが可能です。
キャリブレーション
標準:ISO/IEC 17025:2017
VT Systemモジュールに対して、認定を受けたキャリブレーションサービスをご提供しております。このサービスは、初期キャリブレーションや再キャリブレーション(12ヶ月ごとの実施を推奨)として使用できます。また、このサービスは新品のモジュールだけでなく、すでにフィールドで使用されているモジュールに対しても使用できます。
本サービスは、提供可能な地域において、Keysight Technologies Inc.との提携により提供されており、ISO/IEC 17025:2017の要件に準拠しています。これにより、世界各地(ドイツ、日本)に分散した複数の試験所にてキャリブレーションを行うことが可能となります。
また、本キャリブレーションサービスには、モジュールが仕様範囲外である場合の調整も含まれています。キャリブレーションには、すべての説明、結果、測定値が記載された詳細なレポートが付属します。


CANoeとの完全な統合
CANoeはVT Systemを自動的に検出するため、システムの設定にはマウスを数回クリックするだけで済みます。基本的には、必要な測定信号を選択し、チャンネルにわかりやすい名前を付けるだけで十分です。
その後、すべての測定値および出力値は、他の信号と同様に CANoe 内で利用可能になります。例えば、これらの信号は解析Windowに表示したり、テストモジュールで記録・参照したりすることができます。この方法では手動でのテスト制御が容易ですが、CANoe のテストモジュールを使用してテストを自動化することも可能です。
VT Systemは、CANoeおよびvTESTstudioのテスト自動化機能に以下の機能を追加します:
- 接続されたVT Systemのモジュールの自動認識
- CANoe内の専用ダイアログによる簡単な設定
- CAPLおよび/またはXMLテストモジュールによるVT System全体の管理、すべての測定および刺激信号へのアクセス
- 解析Window(グラフィックWindow、データWindow)での測定信号の表示、CANoeのログブロックによる記録






